福井丸岡RUCKの先発は、浅野・横山・高尾・荒井・北川。バンブさんとの強化試合、紅白戦と前プレが効いて絶好調の大学生セットでスタートしました。
ちょっと荒井は緊張気味でしたが、激しいプレスと思い切りのいいドリブルで場内を沸かせました。
次は、凜花・池内・前田・山川の高校生セット。彼女達も落ち着いています。
ガールズとサテライトの応援の声が可愛くて、何回も応援席に目がいきます。ここを率いてくれるのは、小林と藤江。鵜飼のために、ベンチ入りを譲ってくれました。
さあ、1stセットに戻そうと思った4:15。凜花が前プレをかけられて思わずパスミス。
それを相手に奪われてピンチ、しかし、相手の前線へのパスを池内が見事なインターセプト。
池内は、左サイドをドリブルで持ち上がります。右足で2回ボールをなめた後、左足に持ち替えて、ゴレイラの左足の届かないところに技ありシュート。
池内は、大舞台に強い頼もしいRUCKの10番です。
その後、府中さんもさるものです。右に左に強烈なシュートがゴールを襲います。しかし、それを防ぐのがキャプテン浅野。
ゴレイラのファインセーブに歓声が上がります。福井のお客さんは、両チームの良いプレーに反応できるようになってきました。最高の会場の雰囲気です。
6:47、府中さんの猛攻に耐えれず失点。ミスの後、勇気をもって、そのボールを奪いに行けなかった。2回の躊躇で同点にされました。
得点したのは、39番の船附さん。スペインでもプレーしていた日本待望の大型ピヴォです。
試合は進み、11:38。府中のゴールをこじ開けたのは、山川でした。自分で猛烈なプレスに行ってパスミスを誘い、それを前田がカットしてドリブル。
フォア詰で決めました。これで2-1 、勢いに乗ります。
課題のセットプレーの守備も無難にこなします。フィクソの横山姉妹も練習通り、前でカットするし、安心してみることができた前半でした。
ハーフタイムは、ウイングスさんとデフフットサル女子日本代表のイベントを見ていました。
ウイングスさん86名のダンスは、壮観でした。デフ代表の挨拶にも、大きな拍手が巻き起こり、会場の人の優しさが伝わってきたハーフタイムでした。
後半が始まりました。前半は、大学生セットが藤田さんのいるセット、高校生セットが船附さんのいるセットとの対戦でした。
「ちょっと変えてみたい」という意見が、高尾から出ました。
でも、初めは大学生セットで行きたかったので、出場時間を短くして、大学生セットが、2回目のターンで船附さんのセットと当たるようにしました。
23:15、高尾がキーパースローをカットして左サイドをドリブル、ゴール前の純奈にパスを送ります。純奈は、相手ともつれながら、右足で面を作りシュートを決めました。
純奈の日本リーグ初得点は、浅川コーチに教えてもらったゴールネットの上を狙って打つ「アッパーデッキ」でした。お姉ちゃんからのパスというのも意味があります。
この時、前にいた北川は、後ろから走り込んだ純奈のために、止まってスペースを作っています。
あのまま北川も一緒に飛び込んだら、DFが密集してこのゴールは生まれなかったでしょう。北川、高尾姉妹にナイスアシストです。これで3-1、思い描いた通りの筋書きです。
みんなとの約束どおり、2点差がついたので鵜飼が出ました。
手で払うようにシュートをブロックしたり、得意の足を投げ出してシュートを防いだり、鵜飼のファインセーブにベンチは乱舞しました。
でも、この時、府中さんはちょっとやり方を変えてきたのです。
それまでは、早くピヴォに当てて、シュートを狙っていたのですが、3点目が入ってからは、、しっかり幅と深みをとって、RUCKのイプシロンの守備隊系を崩しに来ました。
前に2枚しかいないので、どうしても間延びします。フローターも引き出されてしまったり、上手くいかなかったです。
しかし、鵜飼は無失点。大満足の結果です。残り10分、ここで、浅野に戻そうと思いましたが、もう1人のゴレイラ山本に出てもらいました。
30:16、交代も中途半端になり、なぜか山川が船附さんとマッチアップ。見事なパス回しでピヴォ当てされ、ターンシュートを決められ3-2になりました。
ここは、自分の采配ミスです。しっかりセットが替わってからゴレイラを交替してあげればよかったし、次のセットに状況の説明をしてから交替すればよかった。
間延びしているのだから、「ここは一度ハーフに引いて」とアドバイスしたり、今になると、後悔です。
そして、残り4分。予想通り府中はパワープレーに出てきました。
37:38、大学生セットが出てから2分経過したので、高校生セットに交代しようか、タイムアウトをとろうか、一瞬迷った瞬間でした。
39船附さんが左からのキックインを22縄田さんに戻し、縄田さんは一番後ろの14藤田さんに、左サイドの荒井がちょっとだけサイドに開いたのを見逃さないのが藤田さん。
素晴らしいパスが左奥にいた船附さんに通りました。船附さんは、それをダイレクトでゴールに。浅野、間に合わず、万事休すでした。なんと残り2:22で同点。
2年前の府中戦も2-0からの同点、1ヶ月前のLAZIO戦も3-1からの同点。嫌なムードにならないように、すぐさまタイムアウトをとりました。
まだ2分もあることを伝え、パワープレーは斜めのボールを入れさせないことも言いました。もちろん、楽しもうとも。
タイムアウト後は、高校生セットでスタートしました。府中さんがパワープレーで来るかもしれないという思いもありましたが、最後は大学生セットと決めていました。
なんでかと言うと、ベンチで高尾が、「大丈夫やって、神様は見てるよ」って呟いてたからです。
残り1:30ぐらいになった時、「さあ、池内を残して、3枚交代して」でも、2失点目は交替の失敗。
とりあえず、高尾と北川を出して、山川と凜花を残そうと思った時に、ブザー。府中さんのタイムアウトです。
セット替えにしよう。残りの1:06、絶好調の大学生セットに託すことにしました。
神様が見てるのなら、荒井が荻田コーチと一緒に、いつも左足のシュート練習をしているのを、神様はきっと見ているはずです。
でも、自分の心は「円陣に入ろうか、入らないでおこうか」でぐるぐる回ってました。
鵜飼が真剣勝負の場を最後にするこの日、最後の円陣で、鵜飼のそばに行きたかったのも事実です。でも、自分が円陣に入らない方が、いつもいい結果はついてくるし。
左のキックインから試合はスタート。ここも、パワープレーがくるかなと思ってました。
しかし、パワープレイではなかったです。1回戦総当たりしかないリーグ戦、両チームとも負けは嫌だったはずです。
キックインのボールがゴレイラに戻されました。そして、ゴレイラが蹴ったボールは、ワンバウンドで浅野がキャッチ。
すかさず浅野は、左サイドの荒井に。荒井はダイレクトで北川にピヴォ当て、これがまた絶妙で、右で蹴っていたら、確実にカットされてました。
左で蹴ったので股を通り北川に入りました。右サイドにいた高尾はフェイクを入れながら北川に向かって斜めに走ります。
北川は右にターンすると見せかけて、ピサーダで高尾に。ワンタッチで22縄田さんの前に体を入れると、倒れこみながら右足でゴレイラの股を抜きました。
今までに、何度も何度も見たシーンです。違うのは、1376人の大観衆の皆さんの歓喜の声が聞こえること。
「神様は見てるから」と言った高尾が、映画のようなクライマックスをプレゼントしてくれました。
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